2023.05.30
国際シンポジウム「長崎プラネタリーヘルス専門家会合」を開催
5月12日(金)、長崎大学文教キャンパス スカイホールにて、日本医療政策機構(Health and Grobal Policy Institute:HGPI)と共同で、国際シンポジウム「長崎プラネタリーヘルス専門家会合」を開催しました。(後援:環境省、長崎県、長崎市、日本医師会、東京大学、国立環境研究所、地球環境戦略研究機関(IGES)、協賛:ウェルカム・トラスト、アストラゼネカ株式会社、武田薬品工業株式会社)
会場参加者約120名、オンライン参加者約520名があり、盛会の内に幕が下りました。
本シンポジウムは、生物多様性の減少について、2030年までの世界的な取り組みに合意したCOP15(生物多様性にかかわる条約締約国の会議)、パリ協定の流れを汲み、気候変動対策のより一層の強化を求めるとともに、途上国や生物多様減少の状況も視野に入れた議論を行なったCOP27(気候変動にかかわる条約締約国の会議)について、国内外の専門家から議論の内容を共有していただき、その問題の認識や理解を促進すること、及びG7広島サミットや関連したハイレベル会合に向けた議論のための環境を醸成し、産官学民のステークホルダーを結集させて論点を整理し、次の打ち手を社会に提供することを目的に開催しました。
シンポジウムでは、第1部としてAlan Dangour氏(ウェルカム・トラスト気候と健康担当ディレクター)から「気候変動対策において“健康”を主流化するための新たなパートナーシップづくり」と題して講演があり、続いてアストラゼネカ社のPam Cheng氏から「持続可能な市場のためのイニシアティブ(SMI)の取り組み」についてビデオメッセージが流されました。これらの講演等を踏まえ、各界の有識者を交えパネルディスカッションを実施し、喫緊の健康課題を解決するために、国際社会は気候変動にどのように対処すべきなのか、について活発な議論が展開されました。
第2部では、「プラネタリーヘルスの実現」を大学の最重要事項に掲げている河野長崎大学長から「プラネタリーヘルスに貢献する学問領域を超えた取り組み」についての講演があり、続いて地球環境戦略研究機関 武内和彦理事長より「生物多様性・環境汚染分野における取り組み」についてのビデオメッセージが流されました。
これらの講演等を踏まえ、Rockfeller-Lancetプラネタリーヘルス委員会メンバーのTony Capon氏を含む各界の有識者を交えてパネルディスカッションを実施し、プラネタリーヘルスの実現を目指し、取り組むべき課題のスケール、多様なステークホルダー間の対話、日本社会が取るべき対策などについて包括的な視点で活発な議論が展開されました。
第1部及び第2部とも、終了時間を超えて会場から質問があり、本シンポジウムも盛会の内に幕が下りました。